日本各地でドラマ撮影の誘致が行われているが、実際、自分の住んでいる町がドラマの舞台になるのは素直にうれしいものだ。毎朝欠かさず見ているNHKの連続テレビ小説「あさが来た」は現在住んでいる大阪が舞台。映し出される町並みは百数十年前のものだが、その明治時代の大阪の雰囲気のなかに、町の遺伝子みたいなものを感じてわくわくする。
そんな朝ドラのなかに、まさにこの町を立て直した人物が登場する。五代友厚(ごだい・ともあつ)だ。恥ずかしながらドラマの話を聞くまでこの人の存在を知らなかった。ネットで検索してみると本人の画像は切れ長の目で、ドラマで五代を演じるディーン・フジオカさん同様、なかなかの男前だった。大阪商工会議所の基礎を築き、大学や鉄道事業にも貢献、本人いわく「瓦解(がかい)しそう」だった大阪経済を立て直した五代さんの経歴を知るにつけ、感謝の気持ちが起きてくる。
ドラマでのヒロイン、あさとの出会いのシーンはドラマチックなもので、あさの才能を高く評価し、助ける役どころ。「あさが来た」の原案本である、古川智映子さんの「小説土佐堀川」(潮出版社)のなかでは、あさのモデル、広岡浅子と五代は1度短い会話を交わしただけだが、ドラマのなかではキーパーソンとして何度も登場している。