お造りは、五島列島の剣先(けんさき)イカに北海道のウニ、骨付きのまま6日間寝かせて熟成させたサワラ、ホウボウ、明石のタイなど、一番おいしい状態で出される。岡本良太さんの故郷である広島の上蒲刈島の藻塩が添えられる=2015年11月12日、京都市東山区(志儀駒貴撮影)【拡大】
さて、肝心の料理は1万1000円のコースのみ。先付けから八寸、最後のお菓子まで10品の構成だ。この日の先付けは滋賀県の安土城近辺で栽培される安土信長ネギを使った温かいスープ。
小ぶりの陶器の碗の蓋を開ければ、自家製のイクラとぎんなんがちょこんと浮かんでいる。糖度がリンゴに匹敵するほどの甘さを持つ白ネギのスープは舌にさらりと触れるほどの繊維を少しだけ残す。
虫かごに見立てた器に入っているのは酢の物。11月初めに解禁されたばかりの京丹後の津居山で水揚げされた松葉ガニをふんだんに使っている。カニ味噌とあえたカニの酢の物の上には、小蕪のすり流し、とんぶり、メスガニのそとこの紅色がアクセント。
一口頂けば、さっぱりとした酢と、カニの上品な甘さが口の中で踊るようだ。そこにキリッと冷えた日本酒があれば、幸せなことこの上なし。
「日本酒は全国から50種類以上そろえています。店名に佳(よ)き肴(さかな)と名がついているように、酒に合う味を追求しています」と岡本さんはいう。