サイトマップ RSS

【野口裕之の軍事情勢】未然防止不可能な生物・化学兵器テロ勃発は「起こるかもしれない」ではなく「いつ起こるか」 (2/5ページ)

2015.11.30 06:00

米上院議員に送りつけられた炭疽菌入りの手紙を開封する米陸軍の専門家。米中枢同時テロ直後に起きた一連の炭疽菌テロ事件では5人が死亡した=2001年12月5日、米国・首都ワシントン(ロイター)

米上院議員に送りつけられた炭疽菌入りの手紙を開封する米陸軍の専門家。米中枢同時テロ直後に起きた一連の炭疽菌テロ事件では5人が死亡した=2001年12月5日、米国・首都ワシントン(ロイター)【拡大】

 肺炭疽兵器の「悪魔性」について、米議会・技術評価局が以下報告している。

 《晴れた夜、大都市の30平方キロメートル地域に炭疽菌10キロを散布すれば、最高90万人を殺傷できる。100キロの乾燥炭疽菌の粉をまけば、被害は最大1メガトンの水素爆弾に匹敵する》

 広島市に投下された原子爆弾の最大65倍前後の殺傷力を伴うと言い換えられるが、核物質でも爆薬でもない炭疽菌は、地球上の至る所に自然分布する。既述の肺炭疽は気道感染で始まるが、症例の95~98%を占める《皮膚炭疽》で説明すると理解しやすい。高地で仕事をする林業・農業従事者らに傷口が有る場合、炭疽菌に汚染された土に触れ感染。真っ黒に変色して壊死する。炭のように変色するため炭疽という不気味な名が付いた。ヒツジやウシなど動物の体毛にも着いており、獣医や動物産品処理従事者への罹患危険性は否定できない。

 未然に防ぐ手段は? 残念ながらない。何しろ、土から菌を取り出す過程は標的にした国家・自治体内で現地調達すればよい。テロリストは探知機器・特殊犬が反応する武器や爆発物を持参せず手ぶら侵入するのだ。現時点での対抗策は、事後的な被害拡大防止体制の飛躍的充実に、ほぼ限られる。

イスラム国に製造能力

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ