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試される結束 6億人の格差経済圏 ASEAN共同体 31日発足 (4/4ページ)

2015.12.28 08:00

12月22日、マレーシア・首都クアラルンプールで行われた「ASEAN共同体」の発足を記念する式典で、記念写真に納まる東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の首脳=2015年(共同)

12月22日、マレーシア・首都クアラルンプールで行われた「ASEAN共同体」の発足を記念する式典で、記念写真に納まる東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の首脳=2015年(共同)【拡大】

 特に恩恵があるのが自動車や家電などの製造業だ。AECにより域内関税の多くが撤廃されるほか、非関税障壁も改善が進み、企業の負担は軽減される。モノの移動が容易になり、輸出コストの低減や域内分業による生産拠点の最適化が進む見通しだ。

 例えばタイでは、関税の高さから自動車関連を中心に現地生産が進んでいるが、近年は人件費の高騰や若年労働者の不足が指摘されていた。AECにより今後は、生産拠点を周辺国に分散し、安価な人材を活用する「タイプラスワン」の動きも加速しそうだ。

 また、ASEAN域内での取引も拡大する。家電や関連部品産業はこれまで中国などへの輸出が多かったが、通商条件の改善で域内のメーカーや消費者向けのビジネスが活発化するためだ。また今後、熟練労働者の移転の自由化が進めば、医療や介護などの新しい事業分野での市場拡大にも期待が高まる。

 ただ、約6億人市場の“大動脈”になる域内インフラ整備の遅れは大きな課題だ。政情不安や開発資金不足などの影響で、幹線道路や鉄道網が整備されていない地域も多い。「インフラが未整備なら、本格的な生産の最適化はできない」(政府幹部)だけに、当面は恩恵も限定的となる恐れもある。(西村利也/SANKEI EXPRESS

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