日馬富士(はるまふじ、左)を豪快に投げ飛ばした松鳳山(しょうほうざん)=2016年1月11日、東京都墨田区の両国国技館(今野顕撮影)【拡大】
もろ手からの突き、押しは封じられたが、勝負への心意気が良かった。「横綱だから負けてもともとではなく、全力を出して絶対に勝つ気持ちだった」。下がりながらも相手の出足を利用しての右すくい投げを鮮やかに決め「タイミングが合ったね」と余韻に浸った。
小結4場所を務めた31歳の実力者が、昨年春場所では初日から13連敗の大不振で十両に転落。続く夏場所でも負け越し「元三役のプライドもあり、身を引こうと思った」と引退が頭をよぎった。
気力の減退で体重は8キロ落ち、持ち味の荒々しさも消えた。だが8月の夏巡業で一念発起し、20代前半の若手と連日の申し合いを敢行。「すごく楽しかったし、初心に帰れた」と手応えをつかみ、再入幕の先場所では12勝と大活躍へつなげた。
最近は青汁を飲むなど体調に気遣い、体重も戻ってきた。前回の初金星は土俵上で号泣したが、完全復活を告げる今回は冷静そのものだ。「相当苦しんだし、精神面が鍛えられたからね」。暗闇を抜けた松鳳山が、新春の土俵を面白くさせそうだ。(SANKEI EXPRESS)