長野県軽井沢町で14人が死亡する事故を起こしたバスの運行会社「イーエスピー」の高橋美作(みさく)社長(54)が16日、東京都羽村市のイーエスピー社で記者会見し、当日の点呼の担当は高橋社長だったが、遅刻したため運転手2人の出発前の点呼ができなかったと明らかにした。バスツアーを、国が定める基準を下回る金額で引き受けたことも判明。高橋社長は「重大な事故を起こしてしまい、おわび申し上げます」と謝罪した。
これまでにも、会社が運転手に渡す運行指示書にルートの記載がないなど、道路運送法違反の可能性があるケースが複数発覚しており、イーエスピーの安全管理が問われそうだ。
事前に押印 過去にも
点呼は業務の開始時と終了時の実施が道路運送法に基づく省令で義務付けられ、会社側は運転手と原則対面し、健康状態や酒気帯びの有無、運行状況などを確認する。点呼内容の記録は1年間保存しなければならない。
高橋社長によると、本来は社の運行管理者の荒井強本社所長が点呼をするが、当日は高橋社長が代理で担当。しかし、時間を間違え、点呼場所の羽村市内の駐車場に間に合わなかった。書類には、点呼をしたことを示す印が押されていた。