白鵬(手前)は立ち合いで日馬富士(はるまふじ)に左上手を許すと、もろくも前に崩れた=2016年1月24日、東京都墨田区の両国国技館(今野顕撮影)【拡大】
初優勝とともに日本出身力士10年ぶりの制覇を成し遂げた大関琴奨菊(ことしょうぎく)は、迷いのない出足で栄冠をつかんだ。序盤戦で波に乗り、8日目に難敵の大関稀勢の里(きせのさと)を倒して今場所の主役に躍り出た。
3日連続撃破の横綱戦以上に重圧がかかったのは、14日目の関脇栃煌山(とちおうざん)戦。苦手を一気の寄りで退け、賜杯をほぼ手中に収めた。来場所は初の綱とりに挑む。達成感に浸らず、この場所の相撲を貫けば可能性は出てくる。
横綱白鵬は先場所と同じく終盤戦で失速し、3場所続けて賜杯を逃した。変化で栃煌山を下した9日目以降から立ち合いが狂い、10戦全勝同士の琴奨菊戦に完敗。優勝への執念が感じられず、2連覇を逃した横綱日馬富士(はるまふじ)とともに12勝だった。10勝の横綱鶴竜(かくりゅう)は序盤戦での2敗が響いた。
琴奨菊以外の大関陣は目を覆いたくなる惨状だった。