ハンセン病回復者の生き様を描いた小説「あん」の作者であるドリアン助川氏(右)や、大学時代にハンセン病患者・北條民雄の文学作品をテーマに論文を書いたという、中江有里(ゆり)氏(右から2人目)らがゲストとした参加した=2016年1月31日(日本財団撮影)【拡大】
当日は、ハンセン病回復者の森元美代治(もりもと・みよじ)氏、書評家、作家としても知られる女優の中江有里(ゆり)氏、そして前述のドリアン氏というハンセン病文学に縁の深い3人がゲストとして登場。トークショーも行われ、作品の執筆秘話や自身の体験を絡めながら、三者三様のハンセン病への思いを語った。
ビブリオバトルのほかにも、「世界ハンセン病の日」に向けて、1月最終週はさまざまなイベントが行われた。26日には、差別の撤廃を訴える「グローバル・アピール2016」式典を開催。各国のハンセン病回復者、人権専門家、NGO、医療関係者などが東京に集結し、差別撤廃を訴える宣言文を世界に向けて発表した。これをスタートとして、27日に世界の若いハンセン病回復者と日本の若者が語らう交流会を実施。28日から行われた「人類遺産世界会議」では、20カ国の当事者や政府機関などとともに、ハンセン病の歴史保存の可能性を協議した。このほか、14年間にわたり世界のハンセン病の現場を撮影してきた日本財団フォトグラファーの富永夏子の写真展も開催している(1月29日から、東京、大阪、福岡で順次開催)。