大きな檜の桶にはいった「名物おぼろ湯豆腐」。沸騰しない温度で豆腐を温めるので、豆本来の甘さを損なわない。料理は全て夜の「みやび」コース(5500円)より=2016年1月26日、京都市中京区(志儀駒貴撮影)【拡大】
取材に訪れた1月は冬の季節ならではの蕪(カブ)やゴボウといった旬の素材を生かしたコースがいただける。前菜は新年にふさわしく数の子の食感が楽しい「真砂(まさご)和え」「海老のつや煮」「百合根巾着」、小豆を練り込んだ「小倉豆腐」がちょこんと盛られ、お正月のおせちに使われる素材を懐石に仕立て、みやびな雰囲気。献立は2カ月ごとに変更し、旬の素材や季節感を大事にしているという。
椀物の「冬大根の伏見仕立て」は甘味の強い冬大根の上に金時人参、タラの白子が酒粕汁に浮かび、寒さで冷え切った体をほんのり温めてくれそう。
甘味を感じたいのなら常温で
とはいえ、圧巻はなんといっても「名物おぼろ湯豆腐」だろうか。大きな檜(ひのき)の桶(おけ)には青大豆を使った青豆腐や、小豆生麩、鮮やかなホウレンソウが彩りを添える。桶の横に配されるのは、ホールケーキの大きさほどもあるおかわりのおぼろ豆腐。