日銀が1月29日、欧州中央銀行(ECB)やスイスの中央銀行など欧州が先行しているマイナス金利の導入を決めた。2月16日から民間銀行の日銀当座預金の一部について金利を徴収する仕組みだ。当初は市場に衝撃を与え円安・株高を演出したが、その後は再び円高・株安基調に戻ったこともあって、日経新聞などメディアやエコノミストの間では、「副作用のほうが大きい」「銀行が貸し出しに消極的になる」など、効果について疑問視する声が多くなっている。
だが、目先の相場の変動を見て金融政策の是非を判断するのは愚の骨頂である。マイナス金利は黒田東彦(はるひこ)総裁が主導し3年前にスタートした異次元金融緩和政策を再活性化させる意義がある。
住宅ローンで反応
マイナス金利は日銀が資金発行量を大幅に拡大する量的緩和の限界を補える。量的緩和は円安・株高を引き起こし、企業収益を増やすほか、株主たちの懐を豊かにして消費を刺激する資産効果も見込める。
従って、企業が国内投資や雇用に前向きになるという「トリクルダウン」(富が上から下に滴り落ちる)効果が期待された。日銀は実質ゼロ金利政策を続けているうえに、新規発行の長期国債相当額を金融機関から買い上げるので、国債相場は上昇し長期金利が下がるので、設備投資を上向かせるとの期待があった。