まるで迷路のような市場のスーク・ワキーフ。シーシャの香りが漂い、数え切れないほどの商品が軒先に雑多に並び、夜になると活気に満ちあふれる=2016年1月14日、カタール・首都ドーハ(吉原知也撮影)【拡大】
近未来的なデザインの高層ビル群、透き通ったセルリアンブルーのビーチ、シーシャ(水たばこ)の甘い香りが漂うスーク(市場)…。中東カタールの首都ドーハを歩くと、ぜいたくな気分に浸ることができる。アラビア半島からアラビア湾に突き出た半島の国。石油や天然ガスの資源国であり、スポーツの国際大会が開かれ、観光・文化施設も充実。伝統と革新が織りなす「非日常」の空間が広がっていた。
夏は45度を超える日もある砂漠気候だが、冬のドーハは毎日、爽やかな青空が広がり、ちょっぴり冷たい風が吹く。ウインドブレーカーを着ると、散歩にちょうどいい。
木造船の浮かぶ中心部のドーハ湾には、公園と遊歩道のコルニーシュ通りが続く。湾の向こうには外交地区の高層ビル群が連なる。海の上にそびえる摩天楼のようだ。湾の手前の通り沿いにあるのが、ユニークなデザインの「イスラム美術館」だ。パリ・ルーブル美術館のガラスのピラミッドを手がけた建築家イオ・ミン・ペイによる設計。時代を超えたイスラムの美術・芸術の粋を感じることができる。入場無料で、コーランをはじめ、宝飾品、じゅうたんまで数多くの展示品があり、多くの観光客が熱心に見入っていた。