12月19日、首都ナイロビでの世界貿易機関(WTO)閣僚会議閉幕式に出席するロベルト・アゼベド事務局長(左)と議長を務めたケニアのアミナ・モハメド外相=2015年、ケニア(共同)【拡大】
ケニアの首都ナイロビでの世界貿易機関(WTO)公式閣僚会議は19日、貿易の自由化を図る新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)について、継続すべきだとの意見に加え、新たな枠組みを模索するべきだとの意見を併記した閣僚宣言を採択した。160以上の加盟国・地域が交渉の方向性を出せないまま閉幕した。
10年以上も難航するドーハ交渉の枠組みは限界だとして新たな枠組みでの交渉に移るべきだとする日米欧陣営と、「開発」支援を重視するドーハの継続を求めるインドなど一部途上国が対立。15日から始まった会議は会期を1日延長したが、溝は埋められなかった。
宣言は「全ての加盟国・地域がドーハ交渉の残る(農産品や鉱工業製品の関税撤廃・削減などの)分野の交渉進展に強く関与する」と明言。ただ「交渉を始めるには全ての加盟国・地域の合意が必要」とも強調し、途上国の賛同なしに新たな枠組みでの交渉を始めるのは困難とみられる。
また農産品の輸出業者に支払う補助金について、加工品など一部の産品を除き先進国は原則即時、途上国は2018年から撤廃するとの文言も盛り込まれた。