12月19日、首都ナイロビでの世界貿易機関(WTO)閣僚会議閉幕式に出席するロベルト・アゼベド事務局長(左)と議長を務めたケニアのアミナ・モハメド外相=2015年、ケニア(共同)【拡大】
01年に始まったドーハ交渉は決裂と再開を繰り返し、13年のインドネシア・バリ島での閣僚会議で貿易円滑化など部分合意に達した。初の具体的な成果だったが、その後は再び暗礁に乗り上げた。
公式閣僚会議は2年に1度開かれ、今回はアフリカで初の公式閣僚会議開催となった。日本からは林幹雄経済産業相らが出席した。
≪「脱ドーハ」 先進国の視線はFTA≫
ナイロビでのWTO公式閣僚会議が19日閉幕し、停滞する新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)に代わる新たな枠組みを模索すべきだ、との先進国の主張を初めて閣僚宣言に明記した。先進国が望む「脱ドーハ」に向けた転換点だ。ただ、途上国は開発支援を重視するドーハ・ラウンドの存続を要求しており、溝は深い。
中印など発言力増大
「加盟国・地域間で『根本的な違い』があった」。WTOのアゼベド事務局長は19日の閉幕式で、そう振り返った。
会議は14年続いたドーハ・ラウンドを継続すべきかをめぐり、先進国と途上国が対立。会期を1日延長してようやく出た結論は、「継続すべきだ」との途上国の主張と、「断念すべきだ」との先進国の主張の両論併記だった。連日交渉に当たったアゼベド氏の表情に疲れがにじんでいた。