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【国際政治経済学入門】膨張する人民元 抑止策は完全自由化のみ (1/4ページ)

2015.12.2 09:00

主要通貨別の中央銀行資金発行量と現預金(兆ドル換算)=2015年10月現在。※データ:CEIC

主要通貨別の中央銀行資金発行量と現預金(兆ドル換算)=2015年10月現在。※データ:CEIC【拡大】

  • 左から百米ドル、百ユーロ、中国人民元の百元、一万円の紙幣=2015年11月30日(共同)

 国際通貨基金(IMF)は11月30日、中国の人民元にドル、ユーロに次ぐ特別引き出し権(SDR)構成通貨シェア第3位のお墨付きを与えた。

 1949年10月の現代中国建国前に創設された人民元は中国共産党の、党による、党のための通貨である。党の支配下にある中国人民銀行が基準相場を設定し、変動を基準値の上下2%以内に限って許容している。元の金融・資本市場は制限だらけで、外国資本に対して門戸はほんのわずかに開かれているだけだ。公正に開かれた金融市場を基盤とし、為替レートが自由に変動する先進国通貨とは完全に対極にある。なのになぜ、IMFは国際準備通貨への仲間入りを許したのか。

 SDR入りで党支配延命

 IMFを背後から突き動かしたのは国際金融資本である。2008年9月のリーマン・ショックでバブル崩壊、収益モデルが破綻した国際金融資本が目をつけたのはグローバル金融市場の巨大フロンティア中国である。その現預金総額をドル換算すると今年9月末で21兆ドル超、日米合計の約20兆ドルを上回る。その利益獲得動機が習近平国家主席の野望と結びついた結果が、SDR入りである。

党支配体制を延命させる鍵

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