国際通貨基金(IMF)は11月30日、中国の人民元にドル、ユーロに次ぐ特別引き出し権(SDR)構成通貨シェア第3位のお墨付きを与えた。
1949年10月の現代中国建国前に創設された人民元は中国共産党の、党による、党のための通貨である。党の支配下にある中国人民銀行が基準相場を設定し、変動を基準値の上下2%以内に限って許容している。元の金融・資本市場は制限だらけで、外国資本に対して門戸はほんのわずかに開かれているだけだ。公正に開かれた金融市場を基盤とし、為替レートが自由に変動する先進国通貨とは完全に対極にある。なのになぜ、IMFは国際準備通貨への仲間入りを許したのか。
SDR入りで党支配延命
IMFを背後から突き動かしたのは国際金融資本である。2008年9月のリーマン・ショックでバブル崩壊、収益モデルが破綻した国際金融資本が目をつけたのはグローバル金融市場の巨大フロンティア中国である。その現預金総額をドル換算すると今年9月末で21兆ドル超、日米合計の約20兆ドルを上回る。その利益獲得動機が習近平国家主席の野望と結びついた結果が、SDR入りである。