12月19日、首都ナイロビでの世界貿易機関(WTO)閣僚会議閉幕式に出席するロベルト・アゼベド事務局長(左)と議長を務めたケニアのアミナ・モハメド外相=2015年、ケニア(共同)【拡大】
ドーハ・ラウンドは、米中枢同時テロから2カ月後の2001年11月、中東カタールの首都ドーハでの閣僚会議で、開始が決まった。貧困がテロの温床とされ、貿易自由化による世界の格差是正への機運が高まっていた。
しかしその後、中国やインドなどの新興国や途上国の経済が急成長してWTOでの発言力も増大。日米欧などが交渉の流れを作って途上国が従うという在り方が変容し、ドーハ・ラウンドは先進国と途上国の対立で成果をほとんど出せなくなった。
フロマン米通商代表はナイロビの会議が開幕する前の今月13日、英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)への寄稿で「新しい現実を反映させたWTOの『新たな章』を記す必要がある」と指摘。先手を打って「ドーハ見直し論」を唱えた。
その後、会議で待っていたのは、途上国や新興国による「ドーハは終わっていない」(南アフリカのデービス貿易・産業相)との猛反発だった。