第3小法廷は、保護者や成年後見人であるというだけでは監督義務者にあたらないとする一方、家族の賠償責任について「親族関係や同居の有無など日常的な関わりの程度や介護実態などを考慮して、監督可能かつ容易な場合に、準監督義務者として問われる可能性がある」とした。
その上で、妻については「要介護1の認定を受けるなど、監督が現実的に可能な状況だったとはいえない」として賠償責任を否定。長男についても「男性の行為を防止するための監督が可能ではなかった」と結論づけた。
≪2025年には700万人 国・地域をあげて施策推進≫
家族だけの介護の限界や、地域での支援体制構築の必要性を浮き彫りにした1日の最高裁判決。65歳以上の高齢者の5人に1人にあたる約700万人が認知症になると国が推計する2025年には、約520万人とされる15年から、10年間で約30%も増加することになる。国は昨年、認知症対策に取り組む国家戦略「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)を決定し、新プランでも症状の早期発見に加え地域をあげた介護体制構築に重点を置く。ただ、地域によって抱える事情が異なるため、一律に導入することは難しそうだ。