「僕のパートナーはアフリカ出身のイスラム教徒ですが、フランス人の僕はとても緩いカトリック教徒です。僕の兄弟の妻はアフリカ北部の出身で、宗教は…」。SANKEI EXPRESSの取材に思わず言葉を詰まらせ、苦笑いを浮かべたのは、フランス映画のヒットメーカー、フィリップ・ドゥ・ショーヴロン監督(50)だ。要するに自分の親族は、人種も、民族も、宗教も、国籍もまるで違う、多様なバックグラウンドを持った面々の集まりだというのだ。
だからこそ、こんな映画を撮れたのだろう。新作コメディー「最高の花婿」は、敬虔(けいけん)なカトリック教徒の老夫婦が、4人の娘の結婚相手をめぐってドタバタを繰り広げるといったお話で、フランス社会の本質を楽しく学ぶことができる良き映像教材と言ってよい。配給によれば、フランス本国で1200万人を動員する大ヒットを記録したそうだ。