昨年12月、誤った万引記録に基づく進路指導を受けた3年の男子生徒=当時(15)=が自殺した広島県府中町立府中緑ケ丘中で12日、卒業式が行われた。式典会場には男子生徒の遺影を置いたいすが置かれ、男子生徒を含む218人に卒業証書が渡された。
式典は非公開だったが、府中緑ケ丘中によると、男子生徒の両親も出席し、クラスメートから千羽鶴が手渡された。男子生徒と仲の良かったクラスメートが遺影を抱いて会場に入り、開式前に全員で黙祷(もくとう)した。式辞で坂元弘校長は「(男子生徒が)帰らぬ人となり、痛恨の極みです。深く反省するとともに、この場にいてほしいと思っています。3年生全員と一緒に卒業すると考えています」と語った。
卒業証書の授与では男子生徒の名前が呼ばれると、同じクラスの全員が「はい」と返事をし、代表者が全員分の証書を受け取った。両親は終了後、クラスのホームルームに参加して、卒業証書を受け取った。