BMWの人気プレミアム・コンパクトSUV「X1」が6年ぶりにフルモデルチェンジした。二代目となる新型車の最大の注目ポイントは、先代のFR(後輪駆動)からFF(前輪駆動)ベースに生まれ変わったことだ。ボディサイズは前後に小型化してキュッと引き締まり、背丈が高くなったことでSUVらしさが増した。見た目もより精悍になった。だが、BMWの「走りを楽しむ」というスポーティーで刺激的なDNAは受け継がれているのか。そして、快適性や実用性をしっかりと兼ね備えているのだろうか。その実力を確かめるために、週末を利用して丹沢山地を駆けぬける400キロ超のロングドライブを敢行した。(文・カメラ 大竹信生)
しびれるBMWサウンド
昨年10月に発売した二代目X1。日本では主に3車種をラインアップしている。1.5リッター直列3気筒ガソリンターボを積むFFモデルの「sDrive18i」、2.0リッター直4ガソリンターボを搭載するAWDの「xDrive20i」と「xDrive25i」だ。「25i」は「20i」よりも最高出力を39psほど高めた最高位モデル。今回試乗したのは「25i」の高スペックモデル「xLine」だ。ちなみに車両価格は569万円。そのほかにスタンダードモデルと、スポーツテイストな「Mスポーツ」の計3グレードを用意している。
走る前にまずはエクステリアをチェック。初めて実物を見たが、写真で見るよりもはるかにカッコいい。筋肉質な車体や風格、LEDを採用したランプ類など、一つひとつのディテールが細部にわたってきれいだ。インテリアはいかにもBMWらしい落ち着いたデザイン。けっして飾ることなく、質感や実用性で勝負している印象だ。そんな中、車内をオレンジ色に照らすアンビエントライトはかなりオシャレ。夜間のドライブは気分が上がること間違いなさそうだ。シートはBMW特有の硬さとホールド感がある。ランバーサポートが効いているので、長時間の運転でも疲れることはなさそうだ。