前席は着座位置やや高め。乗り込む時はちょっとだけよじ登る感じになるが、無理な姿勢を強いられたり、余計な力が必要になることはなく、ごく自然に乗り込める。背もたれを立たせ気味にセットするとドライブポジションが決めやすい。
国産のミニバンでは当たり前のインパネシフト&前席ウオークスルーはなし。キャビン真ん中には、シフトレバーが鎮座、この辺の作りはセダン的である。では足元が狭いかというとそんなことはなく、膝が立ち気味に座る姿勢になるおかげで、足元はちょっとスカスカに感じるほど広い。シートは程よい硬さで長時間ドライブでも疲れにくい。シートヒーターは効きが早く、エアコンの暖気が十分に行き渡るより先に、素早く体を温めてくれる。
後席2列目はベンチシートタイプの3人がけ。いずれのグレードでも、国産ミニバンの上級グレードによくある、左右独立型の肘掛付きリラックスシートのような選択肢はない。前席より少し高めで、見晴らしはまずまず。3席それぞれが独立して前後スライド可能。シートは座面、背もたれともに車格からするとやや短めで、サポートは今ひとつ。
試乗車は、オプションの組み込み型チャイルドシートを装備しており(写真参照)、簡単な操作でアレンジ可能。かさばるチャイルドシートを載せるスペースも不要で、小さな子供を乗せる機会の多いユーザーには非常に便利。ただ、座面にリフトアップ機構を設けた影響か、座面のクッションが薄くて硬めだった。大人が後席で長時間乗り続けるのは少し辛いかもしれないが、休憩時に座席を交代すればしのげるとは思う。
3列目は、大人が座ると、座面はお尻が乗る程度の大きさしかなく、床面が高く膝が立ってしまうので、ほとんど体育座り状態。2列目を許容範囲ギリギリまで前にスライドしても、状況はさほど変わらない。背もたれのサポートも背中の半分程度まで。1時間我慢して乗れるかどうか…という感じで、あくまで子供用、または非常用との割り切りが必要だろう。