元気よく走るだけでなく、程よく流れている道をゆったりクルーズするのも得意だ。この時、室内はエンジン音が気にならないほど静かになる。遮音性が高いことも理由の一つだが、何より多段式の7速トランスミッションが、2000回転前後でどんどんシフトアップしていくので、そもそもエンジンが低回転を保ち続け、うるさくなりようがないのである。それでいて、1500回転あたりからターボがしっかり効くので、非力には感じない。
ゴルフ、パサートに乗った時にも感じたことだが、何度乗っても、これがたったの1.4リッターエンジンとは思えない。パワーと低燃費(低環境負荷)。この相反する要求を見事に満たしている。走りも環境性能も妥協しない。これがダウンサイジングというものか、と乗るたびに感心してしまう。この辺りは実際に乗ってみないと実感できないので、興味がある方は、最寄りのディーラーで試乗してみてほしい。
あくまでゴルフと比較しての話だが、全高や着座位置の高さからくるロールの大きさ、車重が影響した若干のもっさり感があるにはある。しかし、ミニバンというカテゴリーのネガティブなイメージからは一線を画した、シャキッとした走りが確実に味わえる。回してよし、回さなくてもトルクフルな、よくできたエンジンと、絶妙のタイミングでシフトショックもなく自動変速してくれるミッションの相乗効果で、まるで自分の運転が上手くなったと錯覚してしまいそうになる。必ずしもスポーティでなくても、運転は楽しめるのだということを、このクルマは教えてくれる。
走行性能に加えて、安全性能も抜かりない。久保田利伸とcharaが出演した小型車up!のCMで広く認知された非常ブレーキ、横滑り防止機能、ドライバーの疲労検知、電磁パーキングブレーキ&ブレーキ保持、クルーズコントロール(試乗車のハイラインは全車速対応)。これらが全てのグレードで標準装備。高級車でも、ここまで標準で装備している車種はまだ少ない。今回の試乗で、上記全ての安全装備が有効に働くことが確認できた(非常ブレーキは、強引な割り込み車に対して作動)。まぁ、とにかく安全極まるクルマである。安全を極めることは、同乗者の命を預かるドライバーのストレス軽減に直結し、結果として、運転を楽しむ余裕が生まれる。