想像以上の広さ
クルマは手配した。次に必要なのは100キロ超えの大男だ。ウェイクに負けじと、周りにいるナンバーワンの巨漢に電話してみる。
「ブチ、週末にオレとドライブに行かない? ウェイクに乗って河口湖にワカサギ釣りに行こうよ。夜は車中泊。ちょっと過酷だけど、どう?」
「えっと、土曜日は昼からお台場でオーディションがあるので、そのあとなら大丈夫だと思います! 日曜日は午後からテレビ収録があるので、午前中だけならOKです!」
電話の相手の名前は杉渕敦。大手芸能事務所の浅井企画に所属する若手お笑いコンビ、オーストラリアのツッコミを担当している。彼とはかれこれ10年以上の付き合いになる仲で、私のちょっとした後輩であり友人でもある。
そんなことよりも、彼は身長181センチ、体重140キロという並外れた巨体の持ち主。彼は望んでもいないだろうが、今回の企画に彼以上の人材はいないと勝手に白羽の矢を立てた。ちなみに彼の芸風は…体のデカさを生かした、いわゆるデブキャラだ。
車内が一瞬でホワイトアウト
ウェイクを運転していて何度も感じたのは、その車内空間を心から楽しんでいるというワクワク感だ。決して目的地へ急ぐようなクルマではないと思う。運動性能を求めるのも何か違う気がする。今、この瞬間を仲間と味わいながら、ゆったり運転するといった面白さがこのクルマの持ち味ではないか。
車内はとても広く、クルマに“詰め込まれている”といった感覚がないので、心にゆとりが生まれやすいこともワクワクする要因か。どんなクルマでも開放感は大事だ。普通のクルマとは違った“別の乗り物”に乗っているような印象も受けた。天井が圧倒的に高いだけでも、不思議と気分が盛り上がる。ファミリーだけでなく、友人との付き合いがまだまだ多い若者にもオススメしたい一台だ。
体のサイズを選ばず
もちろん、体が大きい人でも大丈夫。杉渕もウェイクには“受け入れてもらえた”と感じているようだ。「広くて、長時間乗っても気にならないぐらい、座り心地に不満はありません! 段差は別にして、寝るのにちょうどいい硬さだと思います」と満足そうに話していた。要は100キロオーバーの男性でも、(一人なら)ウェイクをドデカク使えるということだ。
ちなみに、今回の試乗で約340キロを走破した。ガソリン消費量は24リットル。カタログ燃費23.8キロ/リットルに対して、実燃費は14.1キロだった。
試乗車を返却したその日の夜、仕事から帰宅したときに「さっきまでここにウェイクがあったんだ」と少しさみしい気持ちになった。この数日間でウェイクとたくさんの思い出を作ることができた、ということなんだろうと思う。今回の企画で足りなかったのは、ワカサギを持ち帰ることができなかったということ。ぜひ、杉渕と近々リベンジしなければ!
ちなみにワカサギを期待して待っていた妻が翌日、スーパーで「ワカサギの磯辺揚げ」を買ってこっそり食べたのを、床に落ちていたレシートを見て知ってしまった。そんなに食いたかったんかい!(産経ニュース/SankeiBiz共同取材)
■杉渕敦(すぎぶち・あつし)
お笑いコンビ、オーストラリアのツッコミ担当。1985年生まれのB型。埼玉県越谷市出身。早稲田大学卒業。嵐の大ファン。趣味はつけ麺の食べ歩き。最近、18組で争われた浅井企画のお笑いトーナメントで見事優勝。(浅井企画のプロフィールページ)
■主なスペック(試乗車)
車種:ウェイク
グレード:G“SA”
全長×全幅×全高(ミリ):3395×1475×1835
ホイールベース(ミリ):2455
車両総重量(キロ):1020
エンジン:水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ横置
総排気量(cc):658
タイヤサイズ:165/55R15
最高出力:47kW(64ps)/6400rpm
最大トルク:92Nm(9.4kgm)/3200rpm
駆動方式:FF(前2輪駆動)
トランスミッション:CVT
車両本体価格:174万9600円(税込み)