さらに、13年には競合するライバルが登場。路線バスなどを運行する神姫バス(兵庫県姫路市)が三木市と神戸・三宮を結ぶ路線バス「恵比須快速線」の運行を始めた。神戸までの到着時間はほとんど差がないが、粟生線より便数が多く料金も安い。さらに神戸・三宮に行くには、粟生線は乗り継ぎが必要だが、路線バスは直接乗り入れる利便性が受けたとみられ、次々と乗客を奪われていった。
さらに粟生線の沿線には集客力がある観光施設が少ない。午前10時~午後3時台は、終点の粟生駅を発着する電車は1時間に上下1本。少ない本数なのに乗客はまばらだ。同社は「輸送コストと収益を考えると、これ以上運行本数を増やすのは難しい」という。
沿線住民、存続に無関心派とブログで応援派
「残そうという動きがあるようやけど、粟生線があってもなくても影響はあまりないね」
三木市内に住む70代男性は語る。神戸市内で働いていた現役時代は同線を利用していたが、現在は週に1度、習い事に通うため、自宅近くの恵比須駅から粟生駅まで利用する程度。自分で車を運転でき、神戸市内に出るときは神姫バスに乗る。周囲の高齢者の間でも同線の利用者は少なく、存続運動にも関心がない。