神戸電鉄粟生線、存続の危機 客を奪われ赤字慢性化…迫るタイムリミット (4/7ページ)

2016.9.19 17:04

  • 粟生から新開地へ向かう神戸電鉄粟生線の上り電車=9月6日午後0時8分、兵庫県小野市粟生町
  • 神戸電鉄粟生線の粟生駅に停車する新開地行き電車=9月6日午後0時5分、兵庫県小野市粟生町
  • 神戸電鉄粟生線小野-葉多間を走る電車(神戸電鉄提供)
  • 神戸電鉄粟生線木津-木幡間を走る電車(神戸電鉄提供)
  • 神戸電鉄緑が丘駅に向かう粟生行きの電車=兵庫県三木市志染町広野
  • 神戸電鉄緑が丘駅を発車する新開地行き電車=兵庫県三木市志染町広野
  • 神戸電鉄小野駅の西口。電車がない時間帯は人影もまばらだ=兵庫県小野市神明町
  • 駐車場のほか、近くに陶芸教室、理髪店がある神戸電鉄粟生駅前。人影はまばらだ=兵庫県小野市粟生町
  • 神戸電鉄粟生駅の改札には駅員はいない。少ない発車時刻に合わせて乗客がホームへ向かう=兵庫県小野市粟生町
  • 無人駅ながら自動改札になっている神戸電鉄粟生駅の改札=兵庫県小野市粟生町


 こうした状況に、3市の沿線住民らでつくる「粟生線の未来を考える市民の会」の代表で、三木市内で病院長を務める山本篤さん(47)は「今後、さらに高齢者が増えていく中で、いつまで自分で運転できるのか。病気になったら通院するのも難しくなるのに」と懸念する。

 存続に冷たい視線を送る沿線住民がいる一方、個人的に応援する住民もいる。「粟生線ブログ駅長」として自ら同線に乗り、駅周辺のおすすめスポットやイベントを紹介するなど沿線の魅力をアピールしている。

 ブログ駅長は、県と沿線3市、同社でつくる「神戸電鉄粟生線活性化協議会」が26年度から始めた粟生線の“応援部隊”。まだ認知度が高くないせいか、今年度に就任したのはわずか男女4人だが、ほぼ連日、積極的に書き込みを行っている。

 ブログ駅長の一人の「三木のかげとら」さんは広野ゴルフ場前駅の近くの焼肉店を訪れ、写真を交えて人気メニューをPR。さらに「(酒を)飲んだら(車に)乗るな!ですしね」とマイカーではなく、粟生線を利用して来店するよう呼びかけている。

粟生線の赤字は毎年10億円規模で、この赤字が10年以上続く不採算路線だ

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