ローカル線が廃止になった後の沿線の事情に詳しい交通コンサルティング会社「ライトレール」(東京)の阿部等社長によると、廃線となった各沿線では代替バスが運行されているという。しかし、「代替バスのサービスがよくなったとは聞いたことがない」と強調する。
鉄道とバスの一本当たりの運行経費について「車両や線路などのメンテナンスで高コストの鉄道に比べ、代替バスの方が安い」とした上で、「それなのに代替バスで、運賃の値下げや増便など沿線住民にとってサービスの向上につながっていない」と指摘している。
税金を使った支援による“延命策”を永遠に続けるわけにもいかず、鉄道が消えて代替バスの独壇場となっても、沿線住民にバラ色の未来が待っているわけでもないのだ。
粟生線は存続か廃止か。タイムリミットは刻一刻と迫っている。