しばらく都内の一般道を走ってみたが、低中速域の走りは力強くて加速も滑らか。ボディサイズが小さいので、道路の大きさに関わらず取り回しが楽で運転しやすい。ステアリングホイールはRS専用の重たいチューニングを施しており、ハンドルを切ると手応えたっぷり。路面状況がタイヤとハンドルを介してはっきりと両腕に伝わってくる。筆者が半年以内に運転した小型車の中では、日産・ノートe-POWERやホンダ・フィットよりも、運転のしやすさを追求した「Gベクタリング・コントロール」を搭載するマツダ・デミオに近い操作感覚だ。
秀逸なアイドリングストップ
新生スイフトは燃費性能の向上にも力を入れている。マイルドハイブリッド搭載車は減速エネルギーを利用してISGで発電し、時速13キロ以下になるとアイドリングストップが働いてエンジンが自動停止してガソリンの供給をカット。発進後はISGのモーター機能が介入し、時速100キロまでの速度域で1回につき最大30秒間、必要に応じて加速時にエンジンのアシストを行う。このエコサイクルがはたしてどれだけの燃費性能を発揮するのか、満タン法による試乗後の計測がちょっと楽しみだ。
ちなみにこのアイドリングストップ機構は特筆すべき優れものだった。クルマが超低速走行に入るとエンジンが自動停止するのだが、完全に止まった状態からブレーキを離すと、エンジンがいつ再始動したのか分からないほど静かに、そして滑らかに発進する。ストップ&ゴーを繰り返す街乗りにはうってつけだ。ただ先ほども書いたが、走り出しのアクセル操作は“ジェントルタッチ”を心掛けることが快適な走りにつながる。