速いのにエコ…ワインディングで魅力を発揮
厚木インターで降りて、サイクリストやバイクのツーリングで人気の宮ヶ瀬湖に向かう。ギアをパドル操作によるマニュアル走行に切り替えて小刻みにシフトアップすると、あっという間に7速に達する。湖に近いワインディングの上り坂をなんとも軽快に駆け上がっていく。とにかくクルマが軽い。コーナリング時の挙動は非常に安定感があり、軽量化によって車体の剛性が損なわれたという印象は全くない。硬いスポーツシートに包まれた上半身は左右にブレることなく安定している。ドライバーを中心にキビキビと旋回するイメージで、ハンドルを切っていてとても楽しい。天気はまさにドライブ日和で、エメラルドに輝く湖面と山々に囲まれた景色も抜群に綺麗だ。湖周辺では元F1ドライバーの片山右京氏が率いる自転車チーム、「TEAM UKYO」の選手たちが練習をしていた。
今回は時間に余裕がなかったため、写真撮影を終えると、湖を半周してからすぐに東京へとんぼ返りした。走行距離は約150キロで、消費したガソリンは8.02リットル。カタログ燃費27.4キロ/Lに対し、単純計算による実燃費は約19キロ/Lだった。満タンで車重が重く、特にエコを意識せずに走ったことを考えると、とても優秀な成績といえるのではないだろうか。ちなみにガソリンターボ車「RSt」のカタログ燃費は20.0キロ/L、ノンターボ車の「RS」は同22.6キロ/Lだ。
走行性能だけで見ると、新型スイフトの最大の魅力はやはり軽量化に伴う軽快な走行感だろう。ライトウエイトとマイルドハイブリッドの相乗効果で高い燃費性能も手に入れている。ただの移動手段にとどまらず、久しぶりに小型車で運転を楽しむことができた。どの速度域でもパワフルで速いが、特に「操る楽しさ」を味わえる屈曲路で持ち味を最大に発揮するタイプだと思う。
ロードインプレッションはここまで。次週はデザイン面や安全性能のチェック、総評をお伝えする。お楽しみに。(産経ニュース/SankeiBiz共同取材)
■主なスペック スズキ・スイフト「ハイブリッド RS」(試乗車)
全長×全幅×全高:3840×1695×1500ミリ
ホイールベース:2450ミリ
車両重量:910キロ
エンジン:水冷4サイクル直列4気筒
総排気量:1.242リットル
最高出力:67kW(91ps)/6000rpm
最大トルク:118Nm(12.0kgm)/4400rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:前輪駆動
タイヤサイズ:185/55R16
定員:5名
最小回転半径:4.8メートル
燃料タンク容量:37リットル
燃料消費率(JC08モード):27.4キロ/リットル
車両本体価格:169万1280円(税込み)