高速走行時には弱点も…
舞台を一般道から高速道路に移した。試しにアクセルを思いっきり踏み込むと、エンジンの回転数を示すタコメーターの針が一気に5500回転まで振れる。CVTにありがちな若干のタイムラグを挟んでクルマが猛然と加速する。エンジン音もなかなか“熱い”。ハンドルの手応えも含めて、ノートとは大きくタイプが異なる。筆者はスイフトのような重めのハンドルが好みなのだが、それにはもちろんわけがある。手応えのあるハンドルは中心からどれだけ左右に切っているのか的確に把握できるからだ。その感覚はドライバーの安心感にもつながり、高速度域ではそれが顕著となる。ノートはEV走行が可能な素晴らしいクルマだが、フワフワとした操舵感の緩さだけは(ファミリー向けだと承知したうえで)好きになれなかった。
ではスイフトは高速走行時に快適なのか。この質問にはたくさんのイエスとノーがあった。まずイエスの方から答えると、エンジンパワーは必要十分で追い越し加速にたっぷりと余裕を感じた。高回転時のスポーティーなエンジンサウンドも気持ちがいい。硬く味付けた足回りは、道路の継ぎ目や凹凸の処理を不快にならないレベルでこなしていた。ただ、直進安定性についてはこまめな修正舵を強いられる。また、走行性能とは直接関係ないが、ロードノイズやルーフ前方から聞こえる風切り音も気になった。助手席側のダッシュボード付近から微振動のノイズも漏れてくる。ここに挙げた難点はいずれも高速走行時におけるもので、一般道を走るときは全く気にならなかったのだが、クルマを洗練させるためにもぜひマイナーチェンジでの改善を期待したいところだ。