スポーツモードと10速AT
もちろんLCは徹底的にスポーツ性能を追求した高性能車両。高速道やワインディング、はたまたサーキット走行を楽しむときは、スポーツモードやスポーツ+の出番となる。エンジン出力が最大値に設定され、アクセルを踏み込むと勇ましく刺激的な音を立てながら一気に6000回転まで噴け上がり、NAらしい伸び感とともに急加速。8気筒ならではのスムーズなエンジンフィールが爽快だ。パドルシフトを使ってシフトダウンしたときに響くブリッピングの音も躍動感たっぷり。FRらしくフロントが軽くて回頭性が高く、フロントミッドシップのおかげで高い操舵性も発揮する。スポーツモードで絞られたサスペンションがコーナリング時にロールをコントロールし、フラットな姿勢を保ったままカーブを曲がっていくが、ロードノイズは拾いやすい。ハンドルはもっと重みをつけて操舵感覚が手に伝わる方が、高速走行時の安心感がさらに増すのではないだろうか。
注目の10速ATは、日常の速度域においては非常に滑らかだと感じた。基本的にATを多段化するメリットはスムーズな変速と加速感、低燃費化、静粛性の向上などが挙げられる。各ギヤのパフォーマンスが最も効率的よく発揮される回転域を維持しながら次のギヤへ変速することで、走りと燃費性能を両立させているのだ。運転中は1000-1500回転を維持した走行が中心で、シーンに合わせてクルマが常に最適なギヤを選択しているという感触はあったが、日常生活で10速まで使うことはあまりないだろう。多段化による恩恵が最もあるのは、時速50-250キロの幅広い速度域の中で急激な加減速を絶えず繰り返すサーキット走行時なのかなと思う(筆者はRC Fで最高時速240キロまで出せたので、おそらくLCも同等のスピードが出るはず)。