7月にマイナーチェンジしたばかりのトヨタ「ヴォクシー」。前編では主に走行性能をチェックしたが、後編では内外装やユーティリティをじっくり見ていく。上位グレードのハイブリッド車(HV)を一緒に試乗したのは、体重140キロのお笑い芸人。広い室内空間がウリの人気ミニバンは、彼のような巨漢でも十分納得する仕上がりなのか。それとも“デブ目線”の厳しいダメ出しが容赦なく飛び出すのか!? とりあえず河原に到着した2人はバーベキューの用意を始めた。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz)
『にらみを効かせたイケメン』だそうです
新型ヴォクシーは安定したセールスを誇る人気車種だ。7月の新車販売ランキング(軽を除く)ではマイチェン効果もあって前月から1000台以上も上積みし、6位にランクインした。
では、実際どの辺が変わったのか-。今回の小改良で一番変化が分かりやすいのが外観のデザイン変更だ。高級ミニバン「ヴェルファイア」を彷彿とさせる上下2段の灯火類には高輝度で点灯速度が速く、省エネ性能にも優れる「Bi-Beam LED」のヘッドランプと、面発光の鮮やかなクリアランスランプを採用。左右のヘッドランプを結ぶシルバーのラインは太さを増し、中央のエンブレムを縁取るようにキラリと強い輝きを放つ。分厚いフロントバンパーを「ハ」の字に走るメッキの加飾は、ヴェルファイアとそっくりだ(バンパーデザインはグレードによって異なる。試乗車はエアロ仕様のHYBRID ZS)。
ヴェルファイアはぎらつきのある強面の印象だが、ヴォクシーのフロントデザインもけっこう厳つい。トヨタの「VOXY LIFE」という特設ページでは、ヴォクシーの外観について『にらみを効かせたイケメンフェイス』と謳っている。まさに狙い通りのルックスだろう。その派手な見た目からネガティブな印象を持たれることもあるとは思うが、筆者は「下品」「やりすぎ」といったイメージは特になく、キャラクターの濃さを前面に押し出した肉食系アピールにちょっと可愛さすら感じる。
リヤのデザインは鏡のようなシルバーのガーニッシュが目を引く。縦長のリヤコンビランプは「コ」の字に光るLEDランプを組み込んでおり、遠くから見ても一目でヴォクシーだと分かるデザインだ。リヤウインドーはテールゲートのほぼ半分を占めるほど大きい。ボディを側面から見ても1列目、2列目のウインドーはベルトラインを下げて面積を大きく取るなど、視認性や開放感を強く意識しているのがよく分かる。