【CAのここだけの話♪】〈CAのルーツ?〉機内の看護と体調ピンチの対処法教えます! (1/6ページ)

  • 大洲友里絵さん
  • 大洲さん。紅葉を見に京都へ
  • 大洲さん。オーストラリア・メルボルンのホージャー・レーンにて
  • 大洲さん。ロンドンにて
  • 大洲さん。インドネシアのトゥグヌンガンの滝で
  • 機窓からの日の出。空を眺めるのが大好きです
  • 素敵なクリスマスツリー=パリ
  • フィジカルアセスメントとトリアージのテキスト。主にこれらを使って看護知識を復習します


 SankeiBiz読者の皆さんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第36回は、元看護師で現在東南アジア系航空会社に日本人CAとして乗務3年目の大洲友里絵がお送りします。

 皆さんは、世界初の女性客室乗務員のはじまりは看護師であったことをご存知ですか? ユナイテッド航空の前身ボーイング・エア・トランスポートの定期便に搭乗したのが始まりで、機内で気分が悪くなった乗客の世話をすることを目的として看護師が乗務し、女性によるサービスが乗客の人気を集め集客に貢献したといわれています。

 飛行機内というのは大変特殊な環境です。限りある密室空間と物品、飛行中の揺れ、気圧の違いなど…。そんな環境下で、体調を崩されるお客様もしばしばです。

 そこで今回は、機内での体調不良の対処法・予防法についてご紹介します。

▽地上と上空の違い

(1)気圧

 機内では、気圧を調整する装置とエアコンにより地上に近い環境を作り出していますが、地上と同じ環境ではありません。袋菓子がパンパンに膨らんでいるのを見たことはありませんか? これは、機内が地上に比べて気圧が低いことを表しています。

 この気圧の変化は私たちの体内でも起こっています。体内のガスが膨張し、溜まりやすくなったりします。体外へ排出できないガスが内部を圧迫し、人によってはお腹の張り、耳の異変や痛み、息苦しさ、幹部の痛みなどが生じる場合があります。

(2)酸素量

 気圧の低下に伴い、機内の空気中の酸素の圧力(機内酸素分圧)も地上の70~80%ほどになります。体内が酸欠状態になりやすく、血液やリンパ液の循環も悪くなりやすいです。これにより、肩こり、むくみ、だるさ、めまい、頭痛、吐き気などを感じる人もいます。

機内の湿度は10~20%ほど