▽機内で多い症状
機内でお客様からよく訴えのある症状としては、悪心・嘔気、めまい・失神、腹痛・下痢、発熱などがあります。体調不良を訴えるお客様の数は、日本に帰る便の方が断然多いです。旅やお仕事でのお疲れが溜まっていたり、現地で楽しんだ食べ物や飲み物が関係して…ということなのでしょう。
脳貧血によるめまいや失神は一番多いです。トイレに向かう道中やトイレの前や中で、めまいでしゃがみこんでしまったり、意識を失って突然倒れられる方も。このような場合、倒れた時にどこかに身体を打ち付けて、怪我も引き起こすこともあるので注意が必要です。飛行機がよく揺れて乗り物酔いを起こす方、お腹の調子が優れない方もよくいらっしゃいます。
お客様の状態やその程度によっては、医師や看護師をはじめ医療従事者のお客様からお力を貸していただけるよう、ドクターコールのアナウンスをします。私も今までに何度かアナウンスをしましたが、幸いなことに必ず1人はお客様の中に看護師の方がいらっしゃり、声をかけていただきました。時には10人近くいらっしゃったことも(笑)。
医師のお客様がいらっしゃらなかった場合は、看護師だけで状態や緊急度をアセスメントし、近くの空港に着陸すべきか否か判断を委ねられることもあります。私もそのような判断を求められたことが一度ありましたが、その時は私以外にお二人ベテランの看護師さんがいらっしゃったので、意見交換しながら最終判断ができ心強かったです。