中国、ネット検索遮断で情報統制 テレビも突然、放送停止
パナマ文書の衝撃国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)がタックスヘイブン(租税回避地)に設立された約21万社のデータを公表し、関与した国別の法人などの数が新たに明らかになった。これまでにも政権トップに近い人物の関与が取り沙汰されてきた中露は、どう対処しているのだろうか。
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ICIJ)が公表したリストについて、11日付の中国の主要紙はそろって“黙殺”している。国別リストで約2万8000件と突出している中国法人などの詳細は不明だが、ICIJのサイトの閲覧を禁止するといった措置は、習近平指導部が情報拡散に神経をとがらせていることを物語っている。
中国のサイトで「巴拿馬文件(パナマ文書)」を検索すると、「関係ニュースを探し出せない」「通達に基づいて検索結果を削除した」と表示される。NHK国際放送などが中国指導者の親族の関与に触れる瞬間、放送が遮断される。こうした措置は4月の問題発覚以降、続いている。
ただ、こうした対応は時に思わぬ事態を引き起こす。広西チワン族自治区の巴馬ヤオ族自治県の公式サイトが一時期、閲覧できなくなったが、「巴拿馬」から「拿」を抜いた県名を誤認した可能性がうかがえる。
「巴拿馬」だけで検索すると、台湾の総統に今月就任する蔡英文氏の兄がリストに載っていた-との報道が現れる事態も起きている。(北京 川越一)
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ICIJが公表したリストには、ロシアのプーチン大統領の旧友、ロテンベルク兄弟など、同国の富豪や事業家を中心に6千以上の個人・企業名が挙がっている。ただ、「パナマ文書」のロシア人に関する報道はリベラル派の新聞や電子メディアに限定されており、疑惑が広がることはないとみる政権は余裕の構えだ。
ペスコフ露大統領報道官は10日、「オフショアそのものは違法でない。パナマ文書の方は盗まれたものだ」などとコメントした。パナマ文書では、プーチン氏と約40年間の親友関係にあるチェロ奏者、ロルドゥギン氏らが租税回避地を利用した巨額取引を行っていたことが発覚したものの、世論の批判が高まる兆候はない。国営・政府系メディアは、ウクライナのポロシェンコ大統領によるオフショア取引についてのみ積極的に報じている。(モスクワ 遠藤良介)
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