【パナマ文書の衝撃】醜くゆがんだ国際金融の実体だ 編集委員・田村秀男 (1/2ページ)

2016.5.10 22:23

内部文書が流出したパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」が入居する建物=9日(ロイター)

内部文書が流出したパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」が入居する建物=9日(ロイター)【拡大】

 パナマ文書が暴露しているのは、タックスヘイブン(租税回避地)に集う政治家など権力者や富裕層、多国籍企業の正体ばかりではない。図らずも、醜くゆがんだグローバル金融の姿をあぶり出しつつある。

 パナマ文書で際立つのは、中国と香港である。ペーパーカンパニー数、個人・法人数ともダントツだ。

 年間で数千億ドルに上る中国からの逃避資金の最大の受け皿が香港、香港経由でバージン諸島、ケイマン諸島など他のタックスヘイブンに資金は移される。

 中国資本は名義上「外資」となって、工場ばかりでなく不動産や株式に投資する。規模は巨大で、逃げ足は速い。中国の不動産や株式の相場が短期間で急騰し、バブルとなってたちまち崩壊。環境を無視した膨大な過剰生産設備が放置される。世界の株式市場ばかりではなく、実体景気不安を引き起こす。タックスヘイブンを拠点に増殖する国際金融市場の仕組みを最大限活用しているのが中国であり、中国発の市場波乱とは現代国際金融システムが生み出した鬼子なのだ。

 日本はどうか。パナマ文書上で判明した個人・法人数は約600件ときわめて少ない。パナマ文書はあくまでもタックスヘイブンの一角という事情からくるかもしれないが、国際金融面での日本の存在度合いは格段に大きい。

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