元日銀理事・門間氏 “古巣”に異例の注文 「物価目標、達成時期示すべきではない」
インタビューに応じる元日銀理事でみずほ総研エグゼクティブエコノミストの門間一夫氏=5日午前、東京都千代田区(荻窪佳撮影)
5月に日銀理事を退任したみずほ総合研究所の門間一夫エグゼクティブエコノミストは5日、産経新聞のインタビューに応じ、日銀が平成29年度中の達成を目指している2%の物価上昇率目標について「特定の達成時期を示すべきではない」と述べ、古巣に異例の注文をつけた。一方、現行の大規模な金融緩和に関しては「古今東西例を見ないほど強力だ」と強調した。
6月の企業短期経済観測調査(短観)で、企業が予想する1年後の物価上昇率は0・7%と3月短観から下振れした。これに対し、門間氏は「大規模緩和が始まる前と比べると、雇用は改善し、経済も緩やかな成長軌道にあり、物価を取り巻く環境は確実によくなってきている」と評価した。ただ、29年度中の2%物価目標の達成は「相当難しい」との見解を示した。
英国の欧州連合(EU)離脱決定については、「金融システムに不安が生じる話ではない」としながらも、交渉長期化を前提に「やや長い目で見た世界経済への下押し圧力がどれぐらいの大きさになるのか見極める必要がある」と話した。
5日には新発20年物国債の利回りが一時0・03%をつけ過去最低を更新するなど、市場金利の低下が続く。門間氏は「日銀は強力な金融緩和をしている」と今月末の追加緩和には慎重な見方だ。ただ、仮に追加緩和をする場合は「リスク性資産の買い入れ対象や買い方で何らかの工夫はできるだろう」と述べた。
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