日銀「効果検証」に市場関心高まる 軌道修正の観測急浮上
日銀が前週末の金融政策決定会合で打ち出した金融緩和の「総括的な検証」が、週明け1日も市場の関心を集めている。投資家の間では「追加の金融緩和に踏み切る場合の“副作用”に配慮した措置を検討するのではないか」との見方が急浮上している。次回会合(9月20~21日)まで1カ月半余り。早くも、日銀と市場との「神経戦」がスタートしている。
金融緩和の強化についてと題した会合の声明文で、追加緩和よりも注目を集めたのは、次回会合までに「総括的な検証」をすると明記した部分だ。
「2%の物価目標をできるだけ早期に達成する」観点を強調しているため、JPモルガン証券の菅野雅明氏は「追加緩和の可能性を示唆した」と指摘。日銀は9月会合で、国債と不動産投資信託の買い増し、マイナス金利深掘りのすべてを実施すると見込む。
金融緩和の副作用に配慮し、軌道修正するとの観測も増えつつある。
「うまくいっているのであれば検証する必要はない。日銀に迷いがあるからこその検証だ」と言い切るのは、5月に日銀理事を退任したみずほ総合研究所の門間一夫氏だ。
日銀のマイナス金利政策と国債の大量購入で市場金利は大幅に低下した。住宅ローンが借りやすくなるメリットは出ているが、15~40年満期の超長期国債利回りまで予想外に下がってしまい、銀行や保険、年金へのダメージは大きくなっている。来年には年80兆円の国債購入を継続できなくなるとの民間試算もある。
検証が追加緩和を伴うか否かについて、日銀幹部は「あるともないとも言えない」と言葉を濁すが、SMBC日興証券の森田長太郎氏は「マイナス金利を深掘りする代わりに、国債購入を柔軟化するのでは」と語る。
日銀内では「マイナス金利の効果が分かってもらえず、あまりにも不評だ」と反省の声も。検証で「市場との対話」を見直し、金融政策の“賛同者”を増やしたい考えもあるようだ。(藤原章裕)
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