真水少なく効果は限定的か 政府の28兆円経済対策、内閣府試算は2年で1.3%増
政府与党政策懇談会に臨む安倍首相(左から3人目)=2日午前、首相官邸
政府がまとめた経済対策は、国と地方の直接の歳出(真水)が7兆5千億円にとどまり、国内総生産(GDP)の押し上げ効果は限定的との見方が強い。政府は28、29年度で1.3%の押し上げ効果を見込むが、市場では、0%台前半にとどまるとの意見が有力だ。インフラ整備の効果などを最大限に引き出すには、持続的で中長期的な成長を生み出す努力が求められる。
石原伸晃経済再生担当相は会見で、「経済対策の実施で当面の需要喚起だけでなく、民需主導の経済成長につなげたい」と述べた。
政府は同日、経済対策が実質GDPを2年で1%超押し上げるとの試算を発表。予算措置の「真水」で賄うインフラ整備や現金給付などの支出の効果を見込んだ。同日、日銀の黒田東彦総裁も経済対策のGDP押し上げ効果が1.3~1.4%になるとの見方を示している。この試算に、市場からは「高く見積もりすぎだ」との声が上がる。
第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「真水の規模や、過去の給付金の実際の効果などを考えると、28、29年度それぞれ0.2%ずつ増える程度」と指摘。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは28年度だけで0.4%とみる。
ただ、財政再建との兼ね合いで歳出を抑えた側面もあり、安倍首相は経済対策を「未来への投資」と訴えた。
事業規模の4割近くを占めるインフラ整備は効果を見極めて「選択と集中」を進めなければ無駄な箱物が積み上がりかねない。訪日外国人を呼び込むため、港湾整備を進めるとしているが、同時にビザ発給の要件緩和を進めるなど、対策効果を最大限に発揮する環境整備を着実に進めることが重要となる。(山口暢彦)
関連記事