日本酒の生産量と輸出額【拡大】
蔵元や地域の意識の高まりに旅行業界も注目する。酒造りは数百年にわたって受け継がれてきた伝統産業だけに「神社や仏閣など日本的なものを好む外国人向けの観光資源になり得る」と、大手旅行代理店の訪日旅行担当者は分析。
海外から自家用ジェット機で富裕層のセレブが蔵元に酒を買いに来た話もあるといい、担当者は「外国人向けの国内周遊プランに酒蔵を組みこむ例も出てくるなど開発余地は少なくない」と指摘する。
実際、酒蔵の一般開放に取り組む蔵元は全国各地にあり、観光資源としての潜在力を秘める。福島県会津若松市の末廣酒造では、約15年前から一般公開や有料の酒造り体験を始め、東日本大震災前は年間約1万人の見学者を受け入れてきた。
収益増につなげるのは難しいものの、新城猪之吉社長は「消費者が自分の目で確かめる機会を通じ、ブランドの認知を広めることにつながる」と、酒蔵ツーリズムの効果を重視する。