ロシアの主なLNG計画【拡大】
伊藤忠商事の豊島正徳執行役員は「ロシアは、東シベリアと極東だけで豪州に匹敵するガス埋蔵量があり、近距離の極東から安定調達する意味は大きい」と豪州、カタール、マレーシアに次ぐ4位のLNG輸入先であるロシアからの調達に積極姿勢を示す。
米シェールに危機感
ロシアのエネルギー大手3社がこぞって日本市場に売り込みをかける背景には、急速に変わったエネルギー事情がある。米シェールガス革命という大潮流によって、米国向けを失ったカタールがガスを欧州と日本に販売。このあおりでロシアは欧州向けガス販売が落ち込み、日本や中国をはじめアジア市場開拓が最重要課題になった。
加えて、ロシア国内のエネルギー業界に異変が起きていることも大きい。今年2月、プーチン大統領率いる燃料・エネルギー大統領委員会は、ガスプロムによるLNG輸出の独占体制を段階的に規制緩和することを打ち出した。これを見越してロスネフチもノバテクもLNGプロジェクトを相次ぎ立ち上げ、外資呼び込みに懸命だ。