しかし、米欧の金融緩和が景気を下支えする中、昨年末から今年にかけて、欧州危機の懸念が後退。株価に出遅れ感があった日本では、政権交代や日銀の新体制など「緩和マネー」を呼び込む条件が整い、外国人投資家による“日本買い”が加速。中国など新興国の成長鈍化で、日米など先進国への資金流入が目立つ。
投資でも存在感
みずほ総合研究所の武内浩二シニアエコノミストは「債券への投資割合が減っておらず、大転換はまだ起きていない」と指摘する。本来、値動きが逆になる株と債券、両方の価格が緩和マネーにより高く維持されている状況だ。だが、資金流出が続いていた米国の株式投資信託で、今年は流入超の月が目立つなど「大きな潮目が変化する兆しはある」(武内氏)という。
大転換が起きる決め手とされるのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和の縮小に動き、債券価格が低下(金利は上昇)する局面だ。