「象徴」と表現したのは、日本とミャンマーが共同開発する大型プロジェクトで、ヤンゴンの南約20キロに造成される「ティラワ経済特区」のことだ。開発面積は東京ドーム約500個分にあたる2400ヘクタールにも及び、工業団地や商業施設などを整備する。両国による共同事業として年内にも着工が始まる予定だ。
その期待は高い。確かに、インフラさえ整えば、南アジアと東アジアを結ぶ交通の要衝にあるミャンマーが魅力的な国であることは疑いがない。タイとを結ぶ道路の整備が進めば、ヒト、モノ、カネの動きは活発化する。
そうした動きを見据え、港湾大手の上組(神戸市)は今年3月、ミャンマー最大手の物流企業と共同トラック事業の契約を結んだ。現在、トラックやコンテナを運ぶ車両などを計16台を運行。近く合弁会社を設立し、来年末には運行台数を180台まで増やす予定だ。「ミャンマー国内はもちろん、タイや中国などを含めた運送を考えている」(同社担当者)という。
さらに人材育成への貢献という視点での取り組みも始めている。今年4月から3カ月間、ミャンマー人1人を含む海外のスタッフ計5人をコンテナターミナルで研修した。担当者は「物流における日本の技術を学ぶことで、現地の労働力を養うことにもつながる」としつつ、さらにこう説明した。