中国各地の工業増加値(1~7月)【拡大】
中国国家統計局が公表している工業統計に、生産した工業製品の付加価値の増減を表す「工業増加値」という指標がある。工業活動の成長を知る手段として、中国当局が重視するとされてきた。ところが、国家統計局による中央発表と地方が発表する値に大きな差があり、日本のシンクタンクは地方発表の指標が水増しされている疑いを指摘する。国内総生産(GDP)、貿易統計など、中国発表の統計はとにかく信頼性が低いが、工業製品でも同様だとすれば虚勢病は深刻だ。
正確なら好景気のはずだが…
中国の工業増加値は、工業製品の最終価格などを基に総生産額を割り出し、そこから人件費や原材料費などのコスト分を引いて割り出す。中国国家統計局は前年同期と比較した伸び率を公表。工業製品の付加価値がどれだけ増減しているのかを示す指標だ。
日本のシンクタンクが指摘するのは、中央が発表する全国値と、地方発表の値との乖離(かいり)があまりにひどく、指標そのものの信頼が失われていることだ。