NHKの海外放送のような、日本国内向け番組を英訳したような人畜無害で粗末なものではなく、政界・学界・実業界を挙げて、マスコミまで総動員して、より戦略的に重要で国益に沿った正当なる情報発信に資金と労力を投ずるべき時期が来ていることを痛感します。
ひんしゅく買う“告げ口外交”
このところ、朴韓国大統領や潘国連事務総長らが下品で恣意的な歴史認識を連発して“告げ口外交”を繰り返すたびに、先進諸国からひんしゅくを買うようになってきています。そんな今こそ、日本が正論外交を強化すべき時なのです。
歴史家のハレット カーによれば「歴史とは、現在と過去との尽きない対話」であり、「歴史家の選択と解釈から独立した“歴史的事実”など存在しない」そうです。つまり、政治家や外交官の言う「正しい歴史認識」など“子供じみた考え方”にすぎないということです。歴史を「客観的事実」とみるか「主観的解釈」とみるか。主観による事実の屈折を排除するのは歴史の専門家の仕事です。
ビジネスの世界とて、私情や専門家を無視してのマーケティング戦略はありえません。それを改めて認識させられたことを自覚しつつ、この稿を終えます。
上田和男(こうだ・かずお) 昭和14(1939)年、兵庫県淡路島生まれ。37年、慶応大経済学部卒業後、住友金属工業(鋼管部門)に入社。米シラキュース経営大学院(MBA)に留学後、45年に大手電子部品メーカー、TDKに転職。米国支社総支配人としてカセット世界一達成に貢献し、57年、同社の米ウォールストリート上場を支援した。その後、ジョンソン常務などを経て、平成8年(1996)カナダへ亘り、住宅製造販売会社の社長を勤め、25年7月に引退、帰国。現在、コンサルティング会社、EKKの特別顧問。