安倍晋三首相は施政方針演説で、社会保障費が初めて30兆円を突破したことに触れ、「少子高齢化の下、受益と負担の均衡がとれた制度へと、社会保障改革を不断に進める」と、医療費などの支出抑制へ意欲を示した。また「消費税率引き上げによる税収は、全額、社会保障の充実・安定化に充てる」とも強調、増税への理解も求めている。
8%への消費税増税により、平成26年度の税収増は5・1兆円。首相肝いりの「待機児童解消加速化プラン」や難病対策などに取り組む。
ただ、増収分のうち9割は基礎年金の国庫負担への充当など現行サービスの維持に充てられ、新たに社会保障の充実に回されるのは約10分の1の4962億円にとどまる。「充実」以前に、「現状維持」に追われているのが実情だ。26年度からは、社会保障制度改革プログラム法に基づき、70~74歳の医療費窓口負担の引き上げ、介護サービス利用の際の自己負担引き上げなどの取り組みも本格化するが、支出抑制が軌道に乗るかは見通せない。
26年度の診療報酬改定をめぐっては、自民党の厚生労働関係議員らの強い圧力を受け、最終的に総額0・1%の増額を決めている。