大和証券グループ本社が4月からの賃上げに伴い、新入社員の初任給を1割近く引き上げることが3日わかった。また、当初は若手を中心に約5千人とする方向だった賃上げ対象者も1万人超に倍増する。幅広い賃上げにより社員の士気を高め、優秀な人材の確保につなげる考えだ。
グループ中核会社の大和証券などは初任給が21万円(大学新卒者)だが、賃上げにより2万円程度増える見通し。対象者全員の上げ幅は平均3%程度となる見込みだが、若年層ほど上げ幅を大きくする。近く正式に発表する。
同社は当初、20~30代の若手を中心に一部社員の賃金を上げる方向だった。だが、人材確保には幅広い待遇改善が必要との判断から、グループ社員約1万4千人のうち、国内に勤務するほぼ全員に賃上げの対象を拡大した。
賃上げの拡大は、政府が目指すデフレ脱却に貢献する狙いもある。物価上昇で現金の価値が事実上目減りすれば、資産運用のニーズも高まるため、証券業界へのプラス効果も大きいとみられる。
安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の恩恵を受け、好業績となった証券業界では、平成20年のリーマン・ショック以降停滞していた待遇改善の動きが加速している。野村証券は4月から、若手を中心に賃上げを実施する。また、ネット証券大手の松井証券は4月、正社員の平均で100万円の臨時賞与を支給する方針を決めている。