ベトナムは繊維縫製品の輸出が拡大している。ベトナム商工省によると、多くの地場縫製企業がすでに大型の輸出契約を締結していることなどから、2014年の輸出額は昨年の200億ドル(約2兆316億円)を上回る220億~230億ドルに達する見通しだ。国営ベトナム・ニューズなどが報じた。
同省は今年1~2月の繊維縫製品の輸出額が前年同期比30%増の32億ドルだったと発表した。また、今年9月までの輸出契約も好調で今年の輸出額が昨年を上回るのは確実とみている。
地場縫製大手ニャーベは、製品の企画デザインから製造までを請け負うODM形式で受注を増やしており、今年は昨年の輸出実績を超える見通し。さらなる設備投資で付加価値の高い製品の生産を拡大する構えだ。
ベトナムは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に参加している。TPPで輸出製品が関税優遇を受けるためには原材料のTPP圏内での調達比率を上げる必要がある。そのため、ベトナム繊維縫製公社は、ODM形式による高付加価値製品の生産を加速させるとともに、原材料の国内生産を強化する構えだ。同公社のトラン・クアン・ギー最高経営責任者(CEO)は「欧米の需要回復に加え、TPP交渉が妥結すれば輸出額はさらに伸びるだろう」と期待している。(シンガポール支局)