【珍島(チンド)(韓国南西部)=加藤達也】旅客船「セウォル号」の沈没事故で、修学旅行中に事故に遭った京畿道安山市の檀園高校の生徒の親族や関係者が多数待機する珍島の「珍島郡室内体育館」。16日の沈没後、初めてもたらされた「船内で遺体発見」の悲報に、安否不明者の家族らは泣き崩れた。すでに事故発生から5日目となり、家族らの疲労の色は濃い。
体育館で、海洋警察の担当者が「ダイバーが船の窓越しに遺体を発見した」と家族らに説明すると、ある女性は泣き崩れ、何度も床をたたいた。体育館では遺体発見時に備え、家族らからDNA検査のサンプル採取が行われたという。
19日、体育館では、ダイバーが水中カメラで撮影したという捜索海域の映像が上映された。暗い海の中がライトで照らされ、船の一部とみられるものが映った映像を、家族らは息をのんで見つめていた。
救助活動は一向に進まず、体育館で過ごす家族の疲労感は強い。さらに、発生当初から相次ぐ韓国政府の発表訂正などが、家族らのいらだちに拍車をかけている。
韓国政府は事故発生の16日、「368人を救助した」と発表したが、18日に「救助者は174人」と訂正。船内での捜索活動の情報も二転三転し、18日午前に「ダイバーが初めて船内に入った」と説明したが、実際は入っていなかった。