【エネルギー政策を問う】初めて迎える「原発ゼロ」の夏 (1/5ページ)

2014.4.24 05:00

一番早く審査が進む九州電力川内原発。左から1号機、2号機

一番早く審査が進む九州電力川内原発。左から1号機、2号機【拡大】

 ■電力需給が一段と逼迫 安定供給へ問われる政府の姿勢

 原子力発電所の再稼働が遅れている。政府の原子力規制委員会は、九州電力の川内原発(鹿児島県)を対象に安全性を確認する優先審査を進めているが、実際の再稼働は7月以降にずれ込みそうだ。それ以外の原発では再稼働の見通しはいまだに立っていない。このままでは東日本大震災後、電力需要がピークとなる夏を初めて「原発ゼロ」で迎え、電力供給が再び綱渡りを強いられるのは確実な情勢だ。電力不足が恒常化し、暮らしと産業を支える電力を安定的に供給できなければ、消費税増税に伴う反動減を乗り越えることが課題の日本経済にも打撃を与えかねない。安倍晋三政権の姿勢が問われている。

 ◆日本経済にも深刻な打撃

 政府のエネルギー政策の中長期的な指針となる「エネルギー基本計画」が11日に閣議決定された。原発については重要なベースロード電源と位置づけ、原子力規制委が安全性を確認した原発は再稼働させる方針を明記した。ベースロード電源とは発電コストが安く、昼夜問わずに動かす電源という意味だ。将来の電源別の構成を示すことは見送ったが、民主党政権で進められた「2030年代に原発稼働をゼロにする」とのエネルギー・環境戦略を明確に転換し、安定的な電力供給を確保するために欠かせない電源とした意義は大きいといえる。

 だが、このエネルギー基本計画がそのまま原発の再稼働につながるわけではない。原発の安全審査は独立性を高めた規制委が担当しており、この審査に合格することが前提となっている。東日本大震災に伴う東京電力の福島第1原発事故を受けて導入された新たな安全基準には、全電源喪失など過酷事故対策が盛り込まれた。原発の安全性を追求する取り組みは徹底されなければならないが、一方でその審査作業は科学的で透明性が確保される必要がある。

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