【エネルギー政策を問う】初めて迎える「原発ゼロ」の夏 (4/5ページ)

2014.4.24 05:00

一番早く審査が進む九州電力川内原発。左から1号機、2号機

一番早く審査が進む九州電力川内原発。左から1号機、2号機【拡大】

 ■「何とか乗り切れる」という楽観論は禁物

 政府の電力需給検証小委員会では今年夏の電力対策の策定に入ったが、原発再稼働が見通せないために「原発ゼロ」を前提に需給動向をまとめる方針だ。原発を持たない沖縄電力を除く電力9社の供給予備率は、4.6%と最低限必要とされる3%を上回るとしている。東日本地域の予備率は6.1%とまだ多少の余裕はあるが、中・西日本地域では3.4%とかなりの逼迫が予想されている。とくに原発比率が高かった関西電力と九州電力では、東京電力からの電力融通を前提にぎりぎりの3%としており、これがなかった場合には1%台から2%程度にまで落ち込むという。電力需給はまったく予断を許さない状況にある。

 こうした綱渡りの電力供給の中では懸念材料も多い。その一つが設備故障だ。全国に火力発電所は約300あるが、このうち運転開始から40年を超えた設備が全体の2割に達している。原発を代替するために休止中だった老朽火力設備もかき集めて稼働させているほか、特例で定期検査を先送りするなどで何とかつじつま合わせしているのが現状だ。だが、大震災から3年以上が過ぎ、そうした取り組みも限界を迎えつつある。昨年7、8月には、故障などで発生した発電所の計画外停止が前年同期に比べて平均で2割も増えた。無理な稼働が続く全国の老朽火力が次々に悲鳴を上げているのが現状だ。

 火力発電所が故障などで稼働を停止した場合、深刻な電力不足に陥る恐れがある。昨年8月には関西電力の舞鶴火力発電所1号機(京都府)が不具合で稼働を停止し、南港火力発電所3号機(大阪市)もトラブルで出力抑制を余儀なくされた。35度以上の厳しい暑さも加わり、供給力に対する最大需要の割合を示す電力使用率は連日95%を超えた。一時は96%まで上昇し、他社からの緊急融通で何とかしのいだ経緯がある。「日本は原発ゼロでも何とか乗り切れる」などとする楽観論は禁物である。

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