【エネルギー政策を問う】初めて迎える「原発ゼロ」の夏 (2/5ページ)

2014.4.24 05:00

一番早く審査が進む九州電力川内原発。左から1号機、2号機

一番早く審査が進む九州電力川内原発。左から1号機、2号機【拡大】

 ◆予想以上に長引く審査作業

 これまで電力業界では規制委に対し、10原発17基の審査を申請し、今年3月には九州電力の川内原発1、2号機が優先審査の対象にすることが決まった。地震や津波などへの対策が安全基準をほぼ満たしているとの判断からだ。ただ、審査に必要な書類の準備などに時間がかかっている。

 また、書類審査に合格しても原発の機器の検査などが控えているほか、再稼働に向けて周辺自治体による同意も取り付けなければならない。このため、一番早く審査が進んでいる川内原発でも実際の再稼働は、夏の節電が始まる7月1日には間に合わない可能性が高いと指摘されている。

 さらに問題なのは、川内原発に続いて再稼働する原発が見通せないことだ。四国電力の伊方3号機(愛媛県)と関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)などが次の有力候補とみられていたが、断層の判断などをめぐって規制委から厳しい追加注文が相次ぎ、審査作業が予想以上に長引いているからだ。とくに昨年夏に運転していた大飯原発の再稼働が今年夏は絶望的であり、関西電力管内では電力需給が逼迫する事態が懸念されている。電力の安定供給に支障が生じれば、予想外の突発的な大規模停電が発生する恐れも否定できない。

 こうした規制委の審査に対しては、その独善ぶりを批判する声も根強い。委員個人の意見が委員会全体の判断に色濃く反映される傾向が強く、自民党チームからは「規制委は合議制による検討ができていない」などと組織運営の改善を求める意見書が出ているほどだ。

 このほか、規制委では原発の安全審査に関する最終的な結論を出す前に、立地自治体で公聴会を開催することを決めた。これは予定になかった手続きである。規制委はいたずらに審査を長引かせることなく、あくまで迅速で専門的な審査に徹しなければならない。少なくとも「原発の再稼働を止めている」との疑念を持たれるようなことがあれば、規制委の信頼性も揺らぎかねない。

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